積読
わたしの部屋には本棚がない。
だが、たくさんの本が部屋のあちこちに積まれている。
わたしは本を読むことが好きだ。
物心つく頃から日記を書く習慣があり、自然と文章を読むことも好きになった。
ただ、昔は活字が並んでいる本はとても苦手だった。そんなスタートなのによくここまで好きになれたものだと思う。
なぜ、本を読むのか。
わたしは悩んでいるときに貪るように本を読む癖がある。自分にとって深刻な悩みだと、同じようなテーマ設定の本を読み漁る。答えが欲しいのだと思う。
わたしも人間なので、人相手に悩みを打ち明けたり愚痴を言う習慣がある。だが、同じくらいの頻度でこのように文字に起こしてストレスを解消したり、本に答えを求めたりする。
ただ、どちらも最後は自分で答えを決めなければならない。あくまでもそのための補助ツールに過ぎない。そんなことがわかってきたのは、割と最近のような気がする。
積読の本たちは、買ってからしばらく部屋で眠ることも多い。だが不思議なもので、どこかのタイミングで答えを求めて手に取る瞬間がくるのだ。
わたしはこの世に存在する本全てを読むことはできない。それは不幸なことではなく、自分を助けてくれるツールが無限にある、という安心感でもあるのかもしれない。