一人乗りのトロッコ
人生というトロッコは一人乗り。
誕生発、死亡行き
出発も行き先も全員平等だ。
ただし、到着時刻は不明
ただし、線路の道筋も不明
わたしのトロッコには幾線の線路が並走している
遠くの線路が突如終わる瞬間を度々見かけた
わたしの線路は一度脱線しかけて、何とか本線に戻っている
今、自分の近くの線路がガタガタと音を立てている
わたしは速度を緩めて並走することはできても、直すことはできない
わたしのトロッコに乗ってもらうこともできない
いつ線路が終わってしまうのかと、様子を伺うことしかできない
また他の線路は、新しいトロッコを作りながら走っている
新たな線路に乗せられるまで、あと少し
わたしの線路と近くを走っていたけれど、少し曲がっていくようだ
いつかまた、隣を走ることはできるだろうか
トロッコはいつでも一人乗り。
乗り換えは叶わず、どこまでも。
線路は蛇行し、どこまでも。