話したい人たち
数年前、毎日のように言葉を交わして過ごしていた人たちがいた。
自分から聞いて欲しいことをたくさん話して、たくさん聞いてもらっていた。
時が経つと関係の形が変わっていく。
聞いて欲しい、こんなことがあった、こんな気持ちになったんだ、と
でも、一度離れた距離はなかなか埋められず、わたしは聞いて聞いて、と言えない。
きっと前と同じように聞いてくれるだろうに、わたしは昔のように壁を作ってしまう。
話しかけてくれるのを待ってしまう。
ああ、あの時には戻れないんだと心の底から思う。わたしは年を取ってしまったんだと思う。
戻りたいと思うのは、わたしが新しい形を探せていないからで、わたしが中途半端なんだろう。